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こんにちは!学習塾ベンガルです!
今日は、最近読んだ本で僕が親として塾講師としてすごく考えさせられた本を紹介します。
明確な定義は定まっていないようですが、意欲や忍耐力、自制心やコミュニケーション能力などを総括して非認知能力(スキル)と呼んでいます。
テストや試験で測れる力を「認知能力」と呼び、テストで測れない能力という意味から「非認知能力」と呼びます。主に感情や気質、考え方などのメンタル系の能力を指します。
本書では以下のように「非認知能力」に言及しています。
やりぬく力、好奇心、自制心、楽観的なものの見方、誠実さといった気質は、「非認知スキル」と表現される
ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』英治出版(訳書/2017)P23
何か行動を起こす時の心がまえに当たるものです。上記のような力がなければ、そもそも何かに挑戦することも難しいかもしれません。
積極的に挑戦する子に「挑戦しろ!」と強いるのでなく「挑戦したい!」と思える心を持たせる。そういったアプローチをとることにになります。
定義が明確でない分、いろいろと挙げられていますが、上記のものが中心的なものです(詳しくはググってみてください)。いわゆるグリット(やりぬく力)やレジリエンス(立ち直る力)も含まれており、子どもたちが成長の段階でぶつかる壁を乗り越える際に必要となるものばかり。
まず「環境」にこそ働きかけるべきと主張します。
私の至った結論はこうだ。「非認知能力は教えることのできるスキルである」と考えるよりも、「否認知能力は子供をとりまく環境の産物である」と考えたほうがより正確であり、有益でもある。―(中略)-最初に働きかけるべき場所は、子供自身ではない。環境なのである。
ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』英治出版(訳書/2017)P23
ここで言われる環境は物質的な環境ではなく、親や周りの大人のような人間関係を指すものとして扱われています。周りの大人や見守る人とどのようなコミュニケーションがなされているか、どういうメッセージを受け取っているか。そういう周囲の状況を環境と呼び、それらを変えることが大切だと述べています。
「環境」という言葉を聞くと、たいてい最初に思い浮かべるのは子供のまわりの物質的な環境だ。(中略)しかし、細心の重要な発見によれば、いちばんの問題となる環境要因は、居住する建物ではなく、子供たちが経験する人間関係なのだ。つまり、周りの大人が、とくに子供たちがストレスを受けているときにどう対応するかである。
ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』英治出版(訳書/2017)P31~32
本書の中にこういう部分があります。
よい学習環境を身につけるために子供たちが何より必要としているのは、自分が自立した存在であり成長していると感じられる環境、なおかつ帰属意識の持てる環境で、できるだけ多くの時間を過ごすことではないか。
ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』英治出版(訳書/2017)P94 太字はベンガルによるもの。
この部分を僕なりに理解したことをまとめておきたいと思います。
これは帰属意識に関するものです。「自分がここにいることを周りの人も望んでいる」と思えるような環境づくり。あなたは家族の一員なんだ(塾でいえば、クラスの一員)というメッセージを発しまくるということでしょうか。そういう場の安定性や安心感が大きく子どもたちの能力を引き上げます。
「生まれてきてくれてありがとう」って思ったりするときの、それだと感じました。昔、生徒が「先生って、私たちのこと好きなの?」と聞いてきて、「もちろん!」と返したら、ぶわーーーーーて勉強し始めてました 笑。でも、そういうことなんでしょうね、きっと。
じぶんでできるもん!と思える環境づくり。子ども小さい頃に限定すれば「やらせてみる」という部分だと思います。「やりたいことをやらせてあげる」というのも含まれるでしょう。親の手がなくとも自分でできるし、やり切れるという自信を心の奥に根付かせるということでしょう。塾でも「おれはできる!」「私はやればできる子」と思ってる子は、強いものです。
頼らなくても最後までできた。そんな経験をコツコツ拾い集めてさせてあげたいものです。
じぶんの努力で結果が変わるという経験。これも重要なものでしょう。そんな大げさなものでなく、赤ちゃんが泣いたら声をかけてあげるとか、がんばって方づけたら部屋がきれいになったとか、そういう小さなことの積み重ねだと思います。そもそもこの本にはそっちの方がたっくさん書いてあって面白いです。
僕は小3の頃に逆上がりができなくて、悔しくて放課後に鉄棒で一人練習したことがあります。そういうのって意外と大人になっても覚えてるものだし、子どもにとって何かの支えになるのもすごくわかります。
具体的な「やり方」というのは示されておらず、僕もはっきりとイメージできてはいません。
少し長くなりますが、本書より引用します。
味付けはどんなふうでもかわまない。大事なのは温かい、正面から向き合ったやりとりだとわかっているからだ。そうしたアプローチはどんなふうに実行されようと、子供たちに深い、何よりも大事なメッセージを伝える。帰属意識、安全、安定についてのメッセージ、世界のなかでの自分の居場所についてのメッセージだ。(中略)これらすべてが、直接的であれ間接的であれ、この先の学校での成功に貢献する。
ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』英治出版(訳書/2017)P102
ここで語られているのは、やり方ではなくあり方であること、正面から思いやりと敬意をこめて関心を向けてくれる大人でいること。それで十分なのだということでしょう。ぼくも難しいことは考えず、そういう親として講師としてコーチとして子ども達と接していきたいと考えました。そして何より、正解がないからこそ、じぶんのコミュニケーションのあり方を振り返っていく必要があり、そのことが僕たちを良き大人として作っていくんだと思います。
今日は親として講師として勉強になった本を紹介させて頂きました。誰かの胸に刺さったのなら幸いです。
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