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僕たちを取り巻く情報の渦。あまりに多すぎて目が回るくらいのもので、情報に溺れてしまいそうな毎日です。
テレビにはじまり、インターネットやSNSに至るまで。多種多様なメディアが毎日何かしらを伝えています。
そんな毎日をサバイブしていくご家庭へメディア・リテラシーの「はじめの一冊」をご紹介します(´∀`)
ベンガルに置いているものは2011年初版のものですが、現在2016年版の「増補改訂版」が出ているのでそちらのリンクを貼っています。
「よりみちパン!セ」シリーズは小中学生におすすめの図書シリーズ。出版社を変えながら脈々と続いています。タイトルをながめるだけでも手に取りたいものが見つかると思います(´∀`)
この本のテーマであるメディア・リテラシーについては学校でも習っていて、子どもたちもよく知っています。
インターネットとスマートフォンの普及により情報にふれやすくなりました。新聞やテレビといった大手のメディアに限らずネットニュースや個人ブログ、SNSを通じて世界について知ることも増えています。
情報の洪水ともいえる状況の中、かえって知ることや世界を広げることの難しさに出会うこともしばしばです。
フェイクニュースという言葉もあるように「何が本当なのか」を考えながら情報にふれるには、情報がありすぎる状況なんです。
それでも知ることを続けていくことが大切だと思います。
第二次世界大戦において戦争犯罪によりニュルンベルク裁判で裁かれたナチスの最高幹部ヘルマン・ゲーリングの言葉を引用しています。
「もちろん、一般の国民は戦争を望みません。ソ連でもイギリスでもアメリカでも、そしてドイツでもそれは同じです。でも指導者にとって、戦争を起こすことはそれほど難しくありません。国民にむかって、我々は今、攻撃されかけているのだと危機を煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると避難すればよいのです。このやりかたが、どんな国でも有効です」
『世界を信じるためのメソッド』森達也 66ページ
お次は、とある独裁者が言ったとされるもの。
青少年に、判断力や批判力を与える必要はない。彼らには、自動車、オートバイ、美しいスター、刺激的な音楽、流行の服、そして仲間に対する競争意識だけを与えてやればよい。青少年から思考力を奪い、指導者に命令に対する服従心のみを植え付けるべきだ。国家や社会、指導者を批判するものに対して、動物的な憎悪を抱かせるようにせよ。少数派や異端者は悪だと思いこませよ。みんな同じことを考えるようにせよ。みんなと同じように考えないものは、国家の敵だと思いこませるのだ。
同書 74ページ
実際に言ったかどうかは記録がないようなので、あくまでも扇動のパターンとして紹介しています。
なかなかショッキングな内容じゃないでしょうか。
知ることを方向付ける、知ることを奪うことでコントロールしやすくするというグロテスクな支配の仕組み。そんな時にこそ知ることそのものが武器になるんですね。
本書からもう1箇所大切な部分を。メディアとふれる際の基本的な心構えについて。
テレビだけではない。メディアはすべて、事実と嘘の境界線の上にいる。それをまず知ろう。そのうえでメディアを利用しよう。NHKのニュースや新聞は間違えないというレベルの思い込みは捨てよう。でも、メディアは嘘ばかりついているとの思い込みもちょっと違う。人が人に伝達する。その段階でどうしても嘘は混じる。
同書 114ページ(文中のらせん、はベンガルによる)
ここで言われている「嘘」には幅があります。
騙そうという悪意のある嘘から、「真実そのままではない」「切りとりに過ぎない」という意味の真実とは異なっているという嘘まで。
人が人に伝達するというところでどうしても「リアルと違う」部分が出てきてしまうことに気をつけるよう語りかけています。SNSで盛(も)ってるのも似たような話ですね(´∀`)
やさしく語りかける文体なのでとても読みやすいです。小中学生だけでなく、親子で学べる一冊です(´∀`)
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