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成功するために本を読む。とてもよくわかります。
誰しも「より良くなる」ために知識を得て学ぶために本を開くわけです。
経営者、スポーツ選手、ミュージシャン、YouTuber …
数々の成功談が渦巻く中、本日ご紹介するのは『失敗の科学』という本です。
タイトルにあるようにこれは失敗について書かれた本。本の中で取り上げられているのは飛行機事故、医療ミス、裁判など失敗の許されない場面でのミスについて。
本書のポイントは「なぜ失敗したのか?」ではありません。もっと大切な「なぜ我々は失敗から学ぶためには?」というところにあります。
人と人とが働く組織・チームがいかに失敗から学習していくかを中心に書かれています。個人としてだけでなく、組織で働く人、チームをまとめる人へおすすめできる良書です(´∀`)
本記事もお楽しみいただければと思います。
本書の章立ては以下の通り。
具体的なエピソードを取り上げながら進めていくので読みごたえがありスリリング。
医療ミスや航空事故など重大な場面でのミスもあります。
失敗したことのない人はいません。誰しも失敗をしてしまいます。
大切なのは次の失敗を防ぐこと、そのために失敗から学ぶこと。
しかし!しかし!しかし!
なかなかそれがうまくいかないのも悲しい人間の性でしょう。
失敗を隠す
失敗を認めない
失敗を失敗だと言わない
失敗から改善策を生み出せない
失敗をしてもこのようになるのが日常茶飯事。
失敗を隠すだけでなく、積極的に「失敗を失敗と思わない(認めない)」という風になりがちなんです。
失敗を失敗だときちんと捉えるというのは組織の中では難しいものでもあるのです。
人は失敗を隠す。他人から自分を守るばかりでなく、自分自身からも守るために。実際我々には、ちょうど映画のシーンを編集でカットするように、失敗を記憶から消し去るという能力があるという実験結果も存在する。我々はみな、失敗から学ぶどころか、頭の中の「履歴書」からきれいに削除してしまっているのだ。
『失敗の科学』マシュー・サイド(ディスカヴァー・トゥエンティワン/2016)
失敗から学ぶ組織づくりのためには2つのポイントがあると言います。
システム
マインドセット
上の2つです。
本書はここまでで、失敗から学ぶにはふたつの要素がカギとなることを見てきた。ひとつは、適切なシステム。もうひとつは、その適切なシステムの潤滑油となる、マインドセットだ。
同書 151ページ
まず失敗を報告して共有する仕組みが必要です。
失敗は隠されがちなもの。失敗の存在が明らかにならなければ失敗から学ぶことはできません。
ミスを報告する仕組み
改善策を練る仕組み
誰でも情報にアクセスできる仕組み
個人が特定されない仕組み
報告し、共有するシステムがなければミスがあることで組織全体が学ぶことができます。
システムがあったとしても、報告するスタッフ、組織の考え方(マインドセット)が必要です。
良い仕組みを作ったとしても実際に報告するのはスタッフという「個人」。また、組織の中に流れる雰囲気(マインドセット)が邪魔をしてミスを報告しないこともあります。
責任を問われることや評価を落とすことをおそれて失敗を隠すというのは、組織あるあるなのです。
どんなにすばらしいシステムを導入しても、中で働くスタッフからの情報提供がなければ何も始まらない。バージニア・メイソン病院でも、最初は報告がほぼなかった。非難されることや自分の評判を落とすことを、スタッフが恐れていたからだ。
同書 75ページ
本書では「犯人探し」を禁じています。
失敗を個人の責任にしても、そこから組織としての成長はありません。
失敗を組織の学習に役立てるためには、個人を責める犯人探しをやめなければなりません。
もし犯人探しが横行するのなら、ミスは減るどころか報告されず、存在しないことになってしまいます。
失敗の犯人として血祭りに上げられるのは誰しも嫌ですから。
あくまでも失敗を「仕組みのエラー」と捉えること。個人の責任を追求するのでなく、学びを得るものと考えていくことが大切です。
誰も、当事者の立場に立って「何か複雑な原因があったのかもしれない」などとは考えない。その結末はとてもシンプルだ。誰もが失敗を隠すようになる。学習に欠かせない貴重な情報源を、活用することもないままに葬り去ってしまう。
同書 24ページ
失敗は損失ではなく機会です。
つまり失敗こそチャンスであり、成功へ近づくためのよいチャンスと捉える空気が組織の中にあるかが大切です。
組織が失敗から学ぶには「失敗から学んで成長する」というマインドセットを持つことが大切です。
失敗は学習するチャンス
誰でも失敗を隠したり、認めなかったりする
失敗を共有する仕組みが必要
失敗から成長するマインドを持つことが大切
「犯人探し」は組織の成長を阻害する
たくさん学べた本でした。
ベンガルという組織をどう作っていくのか大きなヒントになりました(´∀`)
気になる方はぜひ手に取ってもてください!
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