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【読書ログ】『名画で学ぶ経済の世界史』田中靖浩(マガジンハウス/2020)

こんにちは!うるま市にあります学習塾ベンガルです!

本日は読書ログを残しておきたいと思います。

マガジンハウス
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目次

どんな本なの?

ヨーロッパの国別に絵画の歴史を知れます

イタリアからはじまってフランス、オランダ、イギリス、アメリカ。その国の大まかな絵画の歴史を追っていくことができます。

先行するのはもちろんイタリア。イタリアを起点として、ああでもない、こうでもないと進化していく姿を追うことで、美術史にふれることがでいます。

その対抗心や影響力、学び合っていく姿は国境を越えたダイナミックさがあります。

ちなみにタイトルは「経済の世界史」ですが、内容的には「美術史」に近いです。

宗教や経済との関係を読みとけます

絵画にとって切っても切れないのが宗教との関係です。

絵を売るマーケットが無かった時代には、教会や貴族がパトロンとして芸術家を支えました。

そしてそこから絵画マーケットの誕生による教会離れへとつながっていくまでのイメージができます。

また経済的に成功している国に絵画が集まったり、シーンが盛り上がったりするのはいつの時代も同じこと。

新航路開拓、産業革命、フランス革命、アメリカ建国などポイントで、絵画の中心地が変わっていったことが知れました。

有名画家の少ないイギリスに多くの芸術品が集まった流れも妙に納得。言ってしまえば「フランスのオウンゴール」だと思うんですけど、くわしくは読んでみてください。笑

技術的な話は、あまりありません

この本は、僕のようなど素人向けの本です。技術的なお話よりも大雑把な絵画の歴史について知る本です。

素人でも簡単につかませてくれる絵画鑑賞の入門書としておすすめです。

もちろんカラーでいろいろな作品を眺めることができて、読むものを置いてけぼりにしません。

フランスのロココ主義の絵のかわいさエグし
ミレーの農民シリーズは、どことなく泣ける

感想

おおざっぱなぐらいでちょうどいい

素人ですのでぶっちゃけて詳しい話はいらないのです。大まかに流れを押さえておくことの方が欲しいのです。

本格的にハマった時に細かい部分が見えてこればよいし、そういう入り口としての働きをする人がどんどん増えていく方が業界としても健全です。

美術なんて本当に難解で歴史も長いので、敷居が高くなりまくって、普通のドアが銀行の巨大金庫のドアみたいに感じるものなのです。

そうやって入り口を狭くして苦しむのは美術自体。気軽にふれてもらって、ひらけた世界を感じてもらうことがすごく大切だなと感じました。

初心者向けの解像度低めの情報で楽しさを感じてもらう。この点において優れた本でした。

ヨーロッパの覇権とライバル意識がハンパない

本書を読むと、ヨーロッパって大変だな、と思います。すごい国が一つあれば、隣の国なんかは嫉妬に身を焦がしたりするわけで。

陸続きに移動できる場所にあるわけですから。島国根性の僕たちには想像もできないような憎々しさかもしれません。

でも、もちろん良い面もあって、身近なライバルに対抗して芸術を含めて進歩していったこともたしかなこと。

よくも悪くもナンバーワンの座をめぐって戦っているのがヨーロッパなんですね。美術においてもそうだってことがよく知れました。

イタリアというお手本に対するフランス、オランダの軸はおもしろいものでした。そこに経済もからんでくるのだから絵画も含めたヨーロッパってずっとプロレスやってるなって感じでした。

マネ(フランス)のこの絵、はじめて知ったけどハマりました

そんなこんなで読書ログをお送りしました。お読みいただきありがとうございました。

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