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こんにちは!うるま市で開校予定の学習塾ベンガルです!
今日は久しぶりに読書ネタを。
これからの子ども達の教育に携わる僕にとって時々読み返したい本でした。
今を生きる子ども達は100歳まで生きるようになるだろう。
そんな衝撃的な指摘から本書は始まります。
つまり、ハイパー長寿社会の到来です。
そうなるとこれまでの生き方とは変わってきます。
これまでは65歳まで働いてそれからは引退して余暇を楽しむという風な生き方が普通でした。その人生のステージが大きく変わってくると指摘しています。
当然のことですが、65歳で引退して100歳まで生きるとなると、無職のまま35年の間生活することになります。
お金が心配ですな!
控え目に見積もっても所得の20パーセントを貯蓄しなければ、老後の生活が保てないと指摘しています。20パーセント貯めるというのはなかなか難しいのではないでしょうか。
そうなると65歳を過ぎても働くことが選択肢に入ってきます。
本書では10代を「教育期間」の第1ステージ、20台~60代を「勤労期間」の第2ステージ、60代以降を「引退期間」の第3ステージと分けています。
これまでは確かに3ステージの人生でした。
もちろんそうでない場合もたくさんあるわけですけど、いわゆるライフプランとして想定されていたのはそういう3ステージの生き方。
その「引退期間」である老後をゆっくり過ごすことが難しくなってくるわけです。
だからこそ変化していくこと、柔軟に考えることが大切になっていきます。
3ステージの人生が終わり、4ステージ、5ステージの人生が始まるとしています。
長く働くのはつらく苦しいイメージがあります。これまでの3ステージの人生の延長戦で考えるからです。
長く働くことは魅力的に感じられないし、いかにも消耗を強いられそうに思える。しかし、そう感じるのは、未来を過去の延長で考え、3ステージの人の生き方に沿って長い勤労生活を送るものと決めつけているからだ。
『LIFE SHIFT』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット(2016/東洋経済新報社)P82
発想を転換して3ステージの人生から脱却すれば、長く働くことがだいぶ魅力的に見えてくる。
同書P82
人生が長くなることで、学び直しや新しいテクノロジーを受け入れていく必要があります。
これまでは20代までに一気に学び、そのまま就職していきました。大学まで進学し、そこから就職してそのまま定年を迎えるという風に。
それが大きく変わり、大人になってからの学び直しやスキルの習得が増えていきます。
そうやって新しい人間関係、新しいスキルを身につけることで多くの変化を経験することとなるでしょう。転職や副業などにより、これまでより変化が大きい人生となっていくことが予想されます。
古いスキルを土台にした仕事に飽きたり、テクノロジーの進歩によりスキルが時代遅れになったりする結果、生涯を通して新しいスキルと専門技術を獲得し続けることが一般的になるだろう。
同書P131
教育→仕事→老後という3ステージの人生からいくつものステージのある人生になっていきます。
大学を卒業し、就職せずに様々なイベントや事業を行い、その経験・ノウハウの蓄積をもって企業へ就職、途中スキルの再取得のため大学へ入り直す。その後結婚し、子どもが生まれたタイミングで休職。しばらくのんびり過ごした後新しく身につけたスキルや人間関係を元に転職…などのようにいくつものステージを経ていく可能性があるということです。
人生の途中で立ち止まったり、道を変更したりすることが起こってきます。
定年まで勤めるという、これまでの働き方とは大きく変わってくるガル
60年間も通用するスキルやノウハウを20代までに培うのはかなり難しいことです。どこかのタイミングで学び直しや生き方や仕事の見直しが迫られることが十分あり得ます。
人生100年時代は変化に富むマルチステージの人生なのです。
途中で学び直しや転職などが繰り返されるようになるなら、どんどん「変化すること」を受け入れるマインドやセンスが必要です。
本書では変化していくために備えておきたい資質を「変身資産」と名付けています。
自分についての知識=変化しても自分らしさを保つ
多様性に富んだ人間関係=視点が変わり、視野が広がるきっかけ
新しい経験に対して開かれた姿勢=他の人の生き方に興味を持ち、新しいことを試す積極性
これらの変身資産を身につけることがすごく大切になってきます。
第一に、変身を成功させるためには、自分についてある程度理解していることが不可欠だ。いまの自分を知り、将来の自分の可能性を知らなくてはならない。(中略)第二に、(中略)変身を遂げるとき、人は新しい人的ネットワークに加わる。活力と多様性に富むネットワークをすでに築いている人ほど、円滑な変身を遂げやすい。(中略)第三に、変身のプロセスが受け身の体験ではないことも明白だ。
同書P160、P161
最後に教育サービスを提供する者として、子ども達について思ったことを…。
コミュニケーションの力が大切になるのは言うまでもありません。AIの進化によって仕事がどんどん機会に置き換えられていっています。
そう聞くと不安な気持ちにもなりますが、その分新しい仕事も出てきます。特に人間が得意な仕事の需要は高まるとされています。
コミュニケーション能力はますます重要なものになっていくでしょう。
ここで言うコミュニケーション能力というのは「見知らぬ他者とやりとりする力」です。身近な人でもいいんですけど、それはたぶん仕事にはならないんじゃないでしょうか。
食べていくってことに限っていえば「他人とやりとりする力」を身につけること。そのためにいろんな人とやりとりする場へどんどん踏み出していって欲しいと思います。
前出のデーヴィッド・オーターらは、人間固有の能力を二種類挙げている。一つは、複雑な問題解決に関わる能力だ。(中略)一方、もう一種類の人間固有の能力は、対人関係と状況適応の能力だ。
同書P109、P110
長い人生を生きるとなると、早い時期から何かに特化してしまうことは危険だといえます。10代で家を買うようなものです。
いつでも選択肢をもっていることが大切です。
あれもできるしこれもできる…こういう生き方もいいな…。そんな風に選択肢や考え方の幅を広げておくこと。そのために友人や知人を広げて新しい知識やスキルへ触れ続けておくことを大切にして欲しいと思います。
その点でいえば小中学生で将来の目標を明確に定めた生き方は、今後どんどん難しくなっていくのかもしれません。
子ども達は選択肢があること、選択肢を作ることが大きな意味をもつ世代となっていくはずです。
ちょっと難しい話になってしまいました。ぜひ本書を手に取って読んでみて下さい。僕ももう一度読み返してみたいと思います。
具体的な新しい働き方として3つのモデルを挙げています。
これらは終身雇用が崩れつつある今、副業やスモールビジネスの起業などの流れに合致しています。意外と今を生きる僕たちは本書の流れを嗅ぎとって生きてるのかもしれません。
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