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【読書ログ】沖縄から貧困がなくならない本当の理由

こんにちは!うるま市江洲にあります学習塾ベンガルです!

今日は「話題の沖縄本」を読んだので、その読書ログを残しておきたいと思います。

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』樋口耕太郎(光文社新書/2020)

樋口耕太郎氏の名前をどこかで目にしたことのある人も多いでしょう。

僕も、沖縄タイムスなどのネット記事で何度か読んだことがあります。辛辣な「沖縄批判」と映る記事が多く、耳の痛い話のオンパレード。

読んでいると腹が立ってくるものもあるほどです。

でも「腹が立つ」「耳が痛い」というのは、書かれていることに心当たりがあるからこそ。

ベンガルマン

沖縄の言葉で「ウチアタイ」ってやつです

結構長めの記事なのに、最後まで読んでしまうのも、そういうことなんだと思います。耳が痛く、腹が立つほどに真実を書いてしまっているのです。

光文社
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目次

「現状維持」の沖縄

守られた経済

沖縄県はご存知の通り、経済的な優遇政策を多く受けている県です。

基地負担や本土復帰の遅さなど、正当な理由で受けているものですが、守られた経済環境こそが「成長できない理由」になっていると述べます。

経済援助は、そのやり方次第では、貧困を解消するよりも増幅させる可能性があるからだ。

樋口耕太郎『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』P56

補助金は経済的な「自立」できた時には消える、いわば自転車の「補助輪」のようなものです。

補助輪をつけ続けるには自走できるようになってはいけません。

ここに沖縄経済の「自立しないこと」「変わらないこと」へのインセンティブが発生しています。

助けがあることで余計に成長しにくい状況になってしまっているのです。

そして守られた経済では、事業性よりも人間関係が、創造性よりも序列が、個性よりも協調性が「経済合理的」になる。

同書P43

人間関係の鎖

また人間関係にも言及しています。

沖縄社会に生きる人たちは、発言するときに、自分の考えを表明するよりも、他人がどう感じるかについて、慎重に間合いを取る傾向が強い。

同書P77

目立ってしまうこと、人と違ってしまうことへの恐れをもち、人間関係の鎖に囚われてしまうと、思い切ったことはできなくなってしまいます。

沖縄のひとびとは自分にブレーキをかけ、はばたけていないと指摘します。

優秀な人間になって仲間をひっぱるよりも、周りから浮かないようにすることで自ら成長を阻んでしまっているのです。

沖縄社会は、現状維持が鉄則で、同調圧力が強く、出る杭の存在を許さない。

同書P76

じぶんを愛せない

現状を打破できない根底には「自尊心の低さ」が潜んでいると指摘しています。

自尊心が低いと、NOとはっきり言い、自分らしく生きる(=周囲に合わせず、あるがままに生きる)ことはできません。

自立できず、周りの人間に合わせているばかりの状況に「自尊心の低さ」が潜んでいるとしています。

僕は、それがまた自尊心を低くしてしまっているとも感じました。

貧困は経済問題ではない。自尊心の低さが招く心の問題だ。

同書P144

感想

本書にはもっと面白い部分がありますが、ここまででやめておきます。

読みすすめていくと、一筋の光明が見えてくる仕掛けになっています。

「経済」という大きな話から「人間関係」という身近な話題に移り、最後は思いもしない「心」の部分について書かれています。

この手の本にありがちな「大きな話題のせいにして遠くの誰かのせいにする」パターンではありません。けして読む者を評論家気取りで終えることを許しません。

この苦しい状況は沖縄の話であり、日本の話であり、友の話であり、親の話であり、あなたの話なんだと徐々に迫ってきます。

そしてそれは沖縄の人だけにとどまりません。これは「日本の話なんだ」と県外の読者にも「他人事」として眺めることを許しません。

じぶんのこと、じぶんが生み出していることだと認識するよう促しています。

ベンガルマン

いや、脅迫的な感じではないですよ

そして思いもしない「心」の部分の記述。僕にとってはかなり納得できたものでした。

今の沖縄の姿は、大きな話題や遠くの誰かのせいな部分はたしかにあるでしょう。でも、それを変えていくのは自分でしかない。

僕としては「いまの状況をじぶんを起点にして考えた時、筆者のいう自尊心が高まるのでは」と感じています。でかいもののせいにして、でかい話を追いかけたって、僕には無力感が広がるだけです。

本書も沖縄タイムスでのコラムも、痛烈な批判に満ちているように感じていました。(実際そう感じる人も多いと思います)

読み終えた今、「もしかすると、この程度のことを受け入れられない自分自身の器の小ささこそ、自尊心の低さのあらわれなんじゃないか」ぐらいに思っています。

僕たちウチナーンチュが前に進むために、この本をのみ込んで乗り越えていきたいところです。筆者もきっとそれを待っています。

著:樋口 耕太郎
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