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きょうは安東家の話。
妻には二人の「母」がいる。
「お母さん」と「母ちゃん(かあちゃん)」だ。
「お母さん」はいわゆる母のこと。
「母ちゃん(かあちゃん)」はいわゆる祖母のこと。僕にとっての義理の祖母にあたる。
「いや、そこはおばぁで良いだろ」と思ったそこのあなた。
僕もそう思う。笑
本当にそうなんだけど、しっくりきていて今さら呼び方を改めようとは思わない。
ちなみにイントネーションは「かあちゃん⤵️」ではなく「かあちゃん⤴️」だ。笑
そんなかあちゃんが亡くなった。
病気ではなく老衰で、だ。
金曜に「いよいよ」との連絡を受けて教室を開ける前に会ってきた。
すでに意識はなかったけど、すこし苦しそうで手にはかすかな温もりを残すのみだった。
僕たちが帰路についている時、この世に別れを告げたという。
あの戦争と混乱を生き抜いて、家族の苦しい時期を支え抜いてきた。
いつでも誰かを育てて誰かを支えて誰かに慕われていた。
天才的に子どもに好かれ、天才的に子どもをかわいがってくれた。
かあちゃんみたいな人が一番強いのかもしれない。そう思っている。
お通夜が明けて、日曜には葬儀に参列した。
かあちゃんが望んだ小さなお葬式だった。別れを惜しむ人の目は白く光っていた。
孫とひ孫に囲まれて幸せなお葬式だったと思う。
家族葬だからといって、ひ孫達はお通夜の部屋でちゃーぶんない、普段の実家みたいに走りまわっていたらしい。
いつもみたいに笑って見守るかあちゃんの姿が目に浮かぶ。
かあちゃんが抱っこし、あやし、面倒を見てきた子ども達が、かあちゃんの髪をなで、習いたてのダンスを披露した。死などそこにはないかのように。
葬儀の後はかあちゃんのことを思い出しながら過ごした。目の端をすこし光らせながら、みんなで笑って。
かあちゃん、長男は立派に送り出す役を務めたよ。
かあちゃん、長女と次女はとっても感謝してるよ。
かあちゃん、嫁は最後まで誰よりもそばにいたよ。
かあちゃん、ひ孫たちの手紙はもう読んでくれたかい。
言葉にしたくてここに書こうと思ったんだけど、ごめん、かあちゃん。言葉がいくらあっても足りないよ。
ありがとう。ゆっくり休んでね。やっぱりちょっとさびしいよ。
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